「生きづらさ」が宝。売れっ子WEBライターの軌跡
記念すべき1冊目は、私がブロガーやWebライターを目指すきっかけになった本です。
山口恵梨香さんの「不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術」です。
タイトルの仕事術からビジネス本かなと思って手に取りましたが、
目次を見て即決で「私と一緒だ!」稲妻が走り書店のレジに走ったのを鮮明に覚えていますね。
山口さんは私にとっての恩人であり業界では大先輩ですが、どこか親近感を覚えるのが不思議な所ではあります。
今ではメディアにも登場するほどの影響力を持った方になりましたが、彼女がこのような働き方を選んだのにはどのような軌跡があったのでしょうか?
では、詳しくご紹介していきます。
14才での不登校が全ての始まり
①適応障害の診断
14歳で起きた学校でのいじめを苦に不登校になった山口さん。
また同時期に適応障害の診断を受けたそうです。
適応障害とは、社会での多くのストレスに適応できず様々な発作が起きる精神疾患というのが簡潔な表現ですが、実際はまだまだ謎が多い病気でもあります。
芸能界でもパニック障害やうつ病、適応障害などメンタル系の疾患になってしまう人たちが増加していますね。コロナ禍ということで、万人がかかりやすい病気なのです。
②フリースクールで出会った恩人
藁にもすがる思いで行ったフリースクールの校長先生は、山口さんを寛大に受け入れてくれたそうです。
「今どきの優しい子は、みんなつかれちゃうんだよ」という名言を残しています。
SNSもそこまで発達していなかった時代なのに、学校のトップとしては素晴らしく肝が据わっている方ですよね!
こうして山口さんは中学校卒業後、不登校専門のスクールに通うことになります。
私も高校中退後に発達障害の診断を受け不登校になった経験があるので、ここまで読んだときはまるで私を見ているかのように、強く共感していました。
③いじめは高校卒業まで続いた
無事進学した山口恵梨香さんですが、不登校専門学校ということもあり、様々な事情を抱えた子どもたちが入学してきます。
山口さんは集団行動が苦手だったようで、様々なグループを渡り歩き「みんなと同じ」を貫いたようです。
しかしターゲットはトレンドのように入れ替わり、ついに彼女にもいじめの矢が。
あっという間にエスカレートしたいじめに対抗できなくなり、山口さんは教室に近づくだけで発作が起きてしまう状態になってしまいました。
そこで担任の先生から提案されたのが職員室登校でした。
中学校で保健室登校をしている人を見かけた人はいるかと思いますが、職員室登校というのがフリースクール独自のシステムですね。
結果大学入学まで職員室登校を続け、無事巣立つことになったのです。
③大学時代についた心の体力
彼女は本の中で「私は心が弱い」と繰り返し言っていますが、私からすると行動力や意思がとても強い人という印象を受けます。
大学時代はボランティアサークルに所属し、アルバイトもして充実した生活を送っていたようです。
今でもそのサークルは存在し、彼女はよくSNSで交流を続けています。
しかしながら、卒業が近づくと彼女には就職活動という大きな壁が待っていました。
それでも、ボランティアサークルに所属していた背景とSPIの勉強を続けた結果、
無事に事務職で内定をもらうことができました。
しかし社会人として一歩を踏み出そうとした彼女に、またも大きな壁が。
離職後、わずか2か月でフリーランスへ
適応障害や発達障害などの精神疾患を抱える人たちに共通するのが、「朝起きられない」という症状です。
本人は決して怠けているわけでもないのですが、身体が思うように動かずに全身に錘がのしかかっているかのようなだるさが現れるのです。
山口さんも入りたての頃はこの症状がひどく、加えてクセの強い先輩からは怒られる日々。電話が鳴るたびに動悸がして途中帰宅してしまうことも少なくなかったそう。
結果、強いストレスから抜け出せずわずか3か月で退職。
また不登校生活のようなメンタルになりかけた彼女を救ったのは、母親でした。
①在宅勤務こそが光
山口さんのお母様の「自宅でできる仕事なら、好きな時間に働けるんじゃない?」と軽い気持ちで言った一言が、彼女に深く刺さり、結果Webライターを選択します。
SNSが発達していなかった当時は、企業のお問い合わせ欄からの営業、打ち合わせにはお手製のポートフォリオ(作品集)を持っていくなど、彼女独自のやり方で着実に信頼を得て、フリーランス最初の壁と言われる10万円の壁をわずか2か月で突破します。
②経験が活かせる執筆ジャンルを選ぶ
彼女も本に書いていますが、文章には人生経験がそのまま反映されます。
「文章=人生」と表現しても過言ではないかもしれません。
山口さんは、不登校、適応障害など苦しい経験を積んだ経験を活かし、人生や生き方全般について書ける「ライフスタイル」に特化してライター活動を続けています。
③ひとり時間で紙に書くことの大事さを訴える
彼女独自のルールで、夕方に行うひとり会議というのがあります。
仕事後にお気に入りのカフェで2時間使って毎日紙に悩みや課題を書き出しているそうです。
紙に書くことで、ゴチャゴチャしていた頭がまるで選択されるように整理され、気づけばモヤモヤが少なくなっていた、もしくはなくなっていたという経験をした方もいるかと思います。
このひとり会議用紙ですが、実は山口さんの事業としてSelf0(セルフレイ)というインターネットショップで販売されています。
気になる方は是非チェックしてみて下さいね!
悩みを持っている人へ、光が見えない人への1冊
自伝+ビジネス書という感覚ですらすらと読める1冊でした。
また、不登校経験者や人生に希望が見つからない人へは是非読んでほしいですね!
「どんなに打ちのめされても、どんな暗闇に飲み込まれそうになっても、大丈夫」
彼女の言葉が、今のあなたには必要なのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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